2003.1.1

 


菅原 努

 

25. 今年のモットー「歩け歩け!」

 


 私が歩く楽しみと効用について書いてから丁度一年になりました。この一年を振り返っての結論は「歩け、歩け!」と皆さんにも薦めようということです。この間に二つのことに気がつきました。先ず気温との関係です。さすがに夏の暑さは歩くのにこたえました。汗拭きのタオルを持って、行きですっかり濡れたタオルをオフィスで干し、帰りには汗をふきふき帰って、家に着くとすぐにシャワーを浴びるといった具合でした。冬になると身体を温めようと知らず知らずうちに早足になり、夏に比べると1割以上早く着くようです。

 もう一つはやはり歩くことが楽しくなることです。初めのうちはあくまで健康のためと思って頑張っていたのですが、何時の間にかこれが身体の楽しみになっていました。先日もある会合が終わってバス停へ向かって歩いていると、同じ会合に出た人たちがタクシーをつかまえようと道に立っています。彼らが「私達も駅へ行きます。ご一緒にどうぞ。」とさそってくれました。皆さんはタクシーに乗って少しでも楽をしたと思っているのでしょうが、私は「いや、私は結構」と断りながら、皆さんにはこの私の歩く楽しみは分からないだろうと思いました。

 この私の「歩け」の勧めは決して一日一万歩と言った厳しい修行のようなものではありません。毎日の仕事に通う道で片道15〜20分程度さっさと歩くことを習慣にすることをお勧めしているのです。やがて歩く楽しみが身に付き、何となく身体に活気が出てきます。それで十分です。

 こうして歩いていると良いこともあるものです。毎日の通勤路は自動車の沢山通る国道沿いですが、最近その一部に平行して公園道路が出来ました。元路面電車の通っていたところです。道に沿っていろんな木が名札をつけて植えてあります。こらから寒くなりますが、春になってどんな葉や花がつくか楽しみです。これは歩いていないと分かりません。

 さてそれではこうして歩いた私の体調はということですが、お蔭様で81歳のこの一年間休むことなく仕事を続けることが出来ました。ただ机に座ったままのうたた寝は欠かせません。それさえしていれば、同じように文献を読み、原稿を書き、会議や講演に出張し、といった相変わらずの生活が出来ています。これを私は歩いているからだと自分なりに考え、それを人にもお勧めしている次第です。

 皆さん、今年も「歩け、歩け!」で、元気に過ごしましょう。