2001.2.13

 
 
温泉は世界どこでも人気者!

  わが国には、温泉好きな人がたくさんます。また東北6県には大小さまざまなたくさんの温泉があり、賑わっています。温泉浴は、含まれている成分による身体への効果だけではなく、ゆったり浸ってのんびりした気分を味わうという精神的な効用もあるといわれています。

 温泉の成分に、ラジウムやラドンなど放射性元素を含むものがあり、これを「放射能泉」と呼んでいます。地中の熱水が湧きあがる途中で、ラジウムやラドンといった放射性元素を溶かし込んで出てきたものです。

 ラジウム温泉としては、秋田県の玉川温泉をはじめ、増富(山梨県)、池田(島根県)、有馬(兵庫県)、三朝(鳥取県)などが有名で、増富と三朝は、ラドン温泉としても知られています。また、各地の街のあちこちには、放射性元素が含まれる鉱石を入れて、発生したラドンをお湯の中に導いているお風呂屋さんも見かけられます。

 外国でも放射能泉は、昔からたいへん人気があり、旧ソ連、ヨーロッパ、東欧、地中海沿岸などでは、たくさんの温泉保養地が知られていて、繁盛しています。とくにオーストリアのザルツブルグ南方、アルプスに近いバドガスタインは、たくさんのホテルが立ち並び古くから有名です。

 ここは景色がたいへん良く、冬はスキーも楽しめる観光地でもあり、ホテル内や野外には大きな温泉浴場があり、医師の指導に従って入浴し温泉水を飲用するなど、リュウマチや神経痛の治療がおこなわれています。

 また、この近くの山腹には「温熱坑道」と呼ばれる長さが2.5キロメートルで40℃ちかい熱さのトンネルがあり、多量のラドンが浸出しています。そして、医師の指導のもとでこれを吸入してリュウマチや循環器病を治療するため、多くの人々がここを訪れています。どうも、放射能泉の人気は洋の東西を問わないようです。

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