2004.2.11
 

 平成16年健康指標プロジェクト講演会要旨

第47回例会
(2月21日(土) 14:00〜17:00、京大会館102号室)

人間性はどこから来たか

西田 利貞
(京都大学大学院理学研究科人類学)
 


 大型類人猿は、ヒトと最も類縁の近い動物である。中でも、チンパンジーとボノボはヒトの仲間といってよく、ヒトを「第三のチンパンジー」と呼ぶ人もいるくらいである。

 ヒトの本性(Human Nature)とは、長い進化の過程でヒトのゲノムに組み込まれた生物学的特性である。それを知ることは、政治経済の運営や人間社会の革新をめざす人にとっては、必須の知識であるべきである。ヒトの本性は、地球上の人類の行動における共通性(ヒューマン・ユニバーサル)を探る文化人類学的方法や、チンパンジー属とヒトの共通点を調べる霊長類学的方法から明らかになる。

 表情、姿勢、ネポチズム、子殺し、近親相姦回避、メスの移籍、敵対的集団間関係、オスの日和見的な社会関係、メスの長続きする親しい社会関係、養子取り、威嚇、恐喝、宥和、取引、食物分配、道具使用、鏡像認識、文化的行動、などヒトとチンパンジーの共通点はたくさんある。スライドとビデオでこういった共通性を紹介する。

 

 

 
 

 

平成16年健康指標プロジェクト講演会開催計画に戻る
健康指標プロジェクトINDEXに戻る
トップページへ