皆さんはどのようなダイエットにチャレンジしたことがありますか??
「どうしたら痩せられるんだろう?」と低カロリーの食べ物だけを食べ続けたり激しい運動を毎日行うといった方法は、ごく短期間なら続けられても、肉体的にも精神的にもストレスが大きすぎて、長く続けることはほとんど不可能です。よほど強じんな精神力を持つ人でも、まず身体が先に壊れてしまいます。また、カロリーを極端に制限するダイエットでは、脂肪だけでなく、脂肪よりもっと重要な組織である骨や筋肉まで減らしてしまいます。長く続けると栄養失調になり、髪も肌もボロボロ、脱毛や貧血、女性の大切な生理さえ止まってしまうことがあります。綺麗になる為のダイエットも、一歩間違えると、取り返しのつかないことにもなりかねないのです。
―ダイエットを始める前に―
〜まずは標準体重を知りましょう〜
標準体重とは最も病気になりにくく、長生きできる体重のことで、平均体重や美容体重とは違います。その標準体重の出し方はBMI(Body
Mass Index)方式というのが最も一般的になってきました。日本肥満学会では、この値が22のときが最も病気を併発する確率(有病率)が低いとしています。
♪ 標準体重の出し方 ♪
BMI=体重kg÷身長m÷身長m
標準体重=(身長m×身長m)×22
〜次に美容体重を知りましょう〜
しかし、標準体重だからと言って満足する女性は少ないでしょう。標準体重とはあくまで健康を保つ体重なので、見た目には以外とポチャッと見えてしまうものです。では、健康を保ちつつ、女性が綺麗に見える体重とはどのくらいでしょうか?
♪ 美容体重の出し方 ♪
(身長m×身長m)×19.5
〜気になる体脂肪とは?〜
体脂肪とは体内にある脂肪のことです。そして体脂肪率というのは、体の中に何%の脂肪がついているかということです。
ダイエットの本質は余分な体脂肪を減らすことです。しかし体脂肪とは体にとって重要な役割をしていることも忘れてはいけません。
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体温をコントロールする |
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体脂肪の少ない人は体温調節がうまくできず、以上に寒がったりします。 |
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内臓を定位置に保って保護をする |
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外部からの衝撃などから内臓を守ってくれたりします。 |
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不足したエネルギーを供給する |
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何らかの理由で食べ物を食べられない時、体に蓄えてあった体脂肪を、貴重なエネルギー源として燃やしてくれます。つまりはエネルギーの貯蔵庫というわけです。 |
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ホルモンのバランスを保つ |
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急激なダイエットで急激に体脂肪を落としたりすると、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れ、生理が止まってしまったりするのはこの為です。 |
しかし体に必要な体脂肪でもつきすぎると糖尿病や高脂血症、心筋梗塞など生活習慣病の発症率が増加してきます。体重が同じ人でも体脂肪率が高ければ、「隠れ肥満」と呼ばれ気を付けなければいけません。
〜体重だけで判断せず、体脂肪率も一緒に考えていきましょう〜
体脂肪の測り方
1. BIA(生体インスピーダンス法)
電気抵抗の高い体脂肪の性質を利用し、足の裏や掌を通じて微弱な電流を流し、全身の電気を算出するもの。(注意:家庭にある体脂肪計はなかなか正確に測定することが出来ません。ちょっとしたことで微妙に変化します。同じ条件、同じ時間帯で3日間測り、アベレージを出していくといいでしょう。)
2. 皮下脂肪厚測定法
体の数カ所をつまんで皮下脂肪の厚みを測り、体脂肪を推定する方法。
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正 常
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肥 満
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女性(30歳未満) |
17〜24%
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30%〜
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女性(30歳以上) |
20〜27%
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30%〜
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男性(30歳未満) |
14〜20%
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25%〜
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男性(30歳以上) |
17〜23%
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25%〜
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また体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。
皮下脂肪とは一般に洋ナシ体型(ウエストとヒップの比率が0.8未満の女性)と呼ばれ、皮膚の内側につく脂肪で、エネルギーを溜めたり体温を保つ役割を持ちます。一般に体の構造上、男性より女性の方が皮下脂肪が多めについています。
内臓脂肪とは一般にりんご体型(ウエストとヒップの比率が0.8以上の女性)と呼ばれ、内臓の周りにこびりつくようにつく脂肪で、生活習慣病を引き起こす原因となる脂肪です。主に中年以降の男女に多い。隠れ肥満の人も内臓脂肪が多いとされています。
−これからダイエットを始める人へ−
1. 1日3食規則正しい食事をしましょう。
食事の回数を減らすと次の食事までの間が長くなり、体が飢餓状態に陥ります。すると次の食事が入って来たとき危機感を覚えた体は食べ物を脂肪として蓄えようとします。また、特定のものばかり食べ続けるのも栄養が偏るのでおすすめできません。
2. 食べ方に工夫しましょう。
その(1):油は控えめに
脂肪を摂らないためには、極力油を使わないよう調理法を工夫すること、揚げ物な
どはもってのほかで、茹でるか、せめて焼くようにします。テフロン加工のフライパンを使えば油なしでも炒め物ができるのでおすすめです。
その(2):糖質は砂糖ではなく炭水化物で
糖質は体脂肪を燃やすのに必要な栄養素。運動したとき真っ先に燃える糖質は、バッテリー役をは果たします。ただし糖質は砂糖ではなく炭水化物から摂りましょう。毎食の目安は茶碗2/3杯のご飯か6枚切り食パン2/3枚。どうしても砂糖を使いたいなら代わりに人工甘味料を使って。
その(3):調味料で工夫を!
意外と重要なのが味付け。調味料のカロリーに気をつけながら飽きのこないダイエットメニューを工夫しましょう。例えばレモン汁はさっぱりしている上、カロリーも少ないのでおすすめ。香辛料を使うと、少量で満腹感が得られます。
3. 食事はゆっくり、よく噛みましょう。
食事にどれだけの時間をかけますか?早食いは食べ過ぎの原因になります。何故なら人が満腹感を感じ始めるのは食事を始めて15分くらい経ってからだからです。時間をかけてゆっくり食事をすることによって過食防止にもつながってくるので、よく噛むことを心掛けましょう。
4. 非活動時の食事は控えましょう。
いわゆる寝る前や休憩時の食事のことです。これは寝る前などは副交感神経の活動により血液中のインシュリンが上昇し、血糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きをします。食べてすぐに寝ることも避けましょう。
5. 間食の取り方には気を付けましょう。
ダイエット中は基本的には間食は避けたいものです。しかし、間食を我慢し続けストレスがたまり“やけ食い”をしてしまえばダイエットどころではなくなります。どうしても間食を止められないという人は、低カロリーのお菓子を工夫して作ってみたり低カロリーの生野菜かお茶をおすすめします。
6. 有酸素運動を生活に取り入れましょう。
有酸素運動と聞いて何を思い出しますか?ウォーキングやジョギング、サイクリングや水泳等が頭に浮かんでくると思います。一体どんな運動が一番効率よく痩せられるのか、何がおすすめなのか、それは人によって違います。一番重要なのは自分が楽しんで出来ること。種目や時間に縛られると反対にストレスがたまり運動をしなくなってしまいます。それが一番良くありません。運動を習慣化させることによって基礎代謝をあげ太りにくい体質へと変えていきましょう。
ダイエットをするにあたって、自分の生活をちょっと見直してみてください。太りやすい人間になるかならないかは自分の生活習慣の中に隠されています。急に全ての生活サイクルを変えるのは難しいのでまず一日一時間変えてみることから始めてみましょう。一日一時間散歩に出掛ける、一日一時間ちょっと手の込んだ料理を作ってみる、一日一時間趣味に打ち込んでみる。食事の後のごろ寝、甘いものの摂りすぎ、様々な生活習慣が太りやすい人間をつくっています。テレビを見て寝転がっている時間を減らして、生活のリズムを変えていきましょう。それだけで体に何らかの変化がおとずれることでしょう。
(財)体質研究会
武田・西野
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