2002.10.1
|
||
22. 八十路からの健康談義(22) |
||
でも油断は出来ません。先週医学部の友人が亡くなりました。その通知に電話をしたら何時も元気で世話を焼いてくれていた二人がともに脳卒中で動けないということが分かりがっかりした次第です。矢張り健康には気をつけねばなりません。そこで私が行っている健康法を説明することにします。本当にそれに意味があるかどうかは自分のこれからの健康状態で証明しなければならないのですが、一応の理屈はあるのです。 第一は歩くことです。これについては前にこの欄で説明しました。ただこの夏はご承知のように特に暑さが厳しかったので、それでも歩くのは可なり無理をしたことになります。家を出て地下鉄駅まで20分を歩くと汗がびっしょりで、汗拭きがすっかり濡れます。それをオフィスで乾かして、帰りにまた一汗かいて家につくとすぐにシャワーを浴びるといった毎日でした。ようやく涼しくなって歩くのが楽しみになってきましたが、この一年歩き続けて自分ではよかったと思っています。 もう一つは腹八分目できたら七分目にしようということです。これの根拠は、夏に医師会で不老長寿にういて話をしてほしいと頼まれて勉強したカロリー制限による寿命延長の動物実験の結果と、それが人にも当てはまりそうだという雑誌サイエンスの記事です。ネズミでは摂取カロリーを35%位制限すると寿命は明らかに延長するし、がんも減ることが良く知られています。数年まえからこれの猿を使っての実験がアメリカで始まっており、どうやら同じような効果がありそうだと言う報告が出てきました。それでもそれが人にも当てはまるかどうかは疑問視されていましたが、それが当てはまりそうだという報告が出たのです。ネズミの場合には普段は食べたいだけ食べさせているのを制限するので、人の場合にはどれだけ制限すれば同じ条件になるか分からないという問題があります。しかし、少なくとも肥満は健康に良くない事は明らかですから、先ず昔から言われている腹八分目が支持されたと考えることにします。もう一つ参考になるのはこれも前に紹介した日野原先生の本です。それには年をとると必要なカロリーは減るので小食でよく先生自身は一日1,300キロカロリーだと言っておられます。そこで80歳をすぎた私などはもうひとつ下げて七分目にしてはということです。本当はこれにはカロリーの計算もし、栄養のバランスも考慮しなければならないのですが、私にはとてもそこまでは出来ません。要は年を取ったら食は細い目にということです。 さて、これから先一年どうなるか、来年の中学の同窓会では私が講演をする順番なので、この結果をまじえて話をしようと楽しみにしています。
|