2005.6.10
 
八十路のつぶやき
 
菅 原  努
  25. また増えた病気
 


 2年前に大動脈解離を患ってから血圧の急上昇が怖いので、歩くのはゆっくりと近くだけにしていましたが、もう2年も経った事だし温かくなってきたので、一月前くらいから自宅から地下鉄の駅までとか、休みの日には少し離れた商店街まで30分近くを歩くように心がけてきました。それには勿論杖が欠かせないのですが、その上途中で一休みをして腰を降ろさないと続けては歩けなくなりました。70歳の時に椎間板ヘルニアをして腰痛に永らく悩まされましたが、それは一応良くなり、専門医からも脊椎骨は変形していますが、毎年のX線検査で変化がないのでと無罪放免になっていました。どうも今度の腰痛はそれとは違うようです。10分も歩くと腰の少し上のほうが突っ張ったように痛み、一寸腰をおろして休むと治まるのです。

 先日前に理事長をしていた(財)体質研究会の役員会があり、私も顧問として出席させてもらいました。その席に京大の整形外科の山室名誉教授が居られたので、会食の後で一寸と呼び止めて聞いてみました。私の話を聞くなり彼は「それは脊椎管狭窄症ですよ。年寄りには多いのです。手術をすれば治りますが、それも割りに簡単ですよ」と迷わずに答えてくれました。そうか、その病気なら彼もやった、あの人も手術をしたと聞いたことがあったな、などと何人かの知人の名前が途端に頭に浮かんできました。「いや、有難う。手術はまたのことにして、しばらく様子をみます。」と言って別れました。

 山室先生によると、最近大腿骨頭骨折なども人工骨を使う手術が簡単に出来るようになり30分くらいで済み、高齢者でも思い切って手術をした方が、永らく入院して寝たきりにならないで助かるということです。そう言えば京大の丹羽教授のご母堂が転んで骨折をされたが、80歳だったが整形外科医のお兄さん薦めですぐに手術を受けて元気になられたと、聞いたことを思い出しました。同級生のM君もこのところ腰痛が強く殆ど歩けないで家にこもっているそうだが、一度診察を受けるように薦めて見ようか、などと考えながら帰途につきました。

 こうして腰痛の本体が分って一応気持は落ち着きましたが、考えてみれば多病息災と言って何とか頑張ってきたのですが、また病気が一つ増えました。でも前回にも書きましたように、これから新しいNPO法人を立派に育てていかなければなりません。腰痛がひどくなって、動けなくなったときには、思い切って手術をしてもらうと覚悟を決めて、しばらくこのままで頑張ってみようと思っています。考えてみればこうして人は老いの坂を転げ落ちていくのでしょうか。

 

 
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