2004.8.1
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菅 原 努
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15. 夏に汗をかく | ||||
今年の梅雨は異常でした。この京都では6月になってしばらく雨の日が続きましたが、その後急にかんかん照りの夏日がつづきました。それまで朝は地下鉄の駅まで20分余をゆっくりと歩いて通勤していたのですが、この暑さで5分も歩くと苦しくなるので、近くのバス停から1時間に1本しかないバスに乗り、地下鉄に乗り継ぐという通勤にかえました。そうしているうちに急に1、2日涼しい日がやってきました。これなら大丈夫かもとまた地下鉄まで歩いてみたのです。いや、大丈夫、少しも苦しくはない、やっぱり歩けなかったのは暑さのせいだ、年をとると暑さにこんなにも弱くなるものかと、嘆いていたのです。ところが3日程してまた暑さが戻ってきました。それでも何とか頑張って汗をびっしょりかいて歩きました。オフィスに着いて、持っていた汗拭きのガーゼのタオルで顔と頭をぬぐうとガーゼはびっしょりになりました。それを事務机の引き出しにかけて乾かしたのですが、その時急に2、3年前のことを思い出したのです。 80を過ぎても元気に毎日百万遍のオフィスに通っていました。オフィスに着くと汗拭きのタオルはびっしょりとぬれているので、今と同じように机の引き出しにひっかけて乾かしたものです。夕方には乾いたタオルを持って帰路に付きますが、家に帰りついた頃には、そのタオルがまたびっしょり。すぐにシャワーを浴びて一服といった毎日でした。そう言えば当時は夏の間は風呂には入らず、シャワーばかりでした。ところが今では帰りはタクシーで家まで送ってもらうので、びっしょりと汗をかくことをすっかり忘れていました。入浴もシャワーではなく、毎日寝る前にどぶっと風呂につかって身体を流すだけです。 私の場合は特別かも知れません。昨年2月に大動脈解離を患ってから、激しい運動など血圧の急上昇をするようなことは避けるように、と気をつけていますから。でもこの暑い夏に人並みに汗をかくというのも、出来なくなると寂しいものです。これは贅沢な悩みでしょうか、それとも年寄りの愚痴として認めていただけますか。
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