2002年9月のトピックス(1) 食の効能の新評価法の確立を目指す 菅 原 努 |
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これに対し、食生活をコントロールし、食品及び食品成分の生体に対する有効性を活用することにより、多くのこの分野の問題解決が可能であります。 しかしながら、現在の食品の効果検証法は、医薬品の薬理効果評価法を準用する形で進められてきましたが、この評価検証法では、多成分からなる食品の有効性を適切に評価でません。そこで、複合系である食品の生体に対する効果をそのまま評価検証する方法、即ち、新たな食の効能評価系を構築することが必要となっています。 この問題を議論し解決すべく、この度「食の有効性に関する新たな評価法の確立に向けて」学術研究会を発足させることになりました。9月2日に東京・港区の明治記念館にて設立総会と記念シンポジュウムを開き、会場一杯の約五百人の参加をえて盛会裡に終了しました。食の効能というのは、何々が健康によいとか、こんな痛みには何々を食べるとよいというように、食と健康との関係はしばしば語られていますが、多くのものはその科学的根拠がはっきりとしていません。また一部のものは厚生労働省の基準に従って効能が認められていますが、それは成分について薬に準じた評価基準で評価されたものにすぎません。私達が普段食べている食物の効能を評価し、それにもとづいて食を通じての健康増進、疾病リスクの低減をみんなで図っていこうと言うのが私たちの狙いです。 私はそこで開会の挨拶として「我々の目指すところ」と題して次のような話をさせて頂きました。 この研究会の設立趣旨については既に趣意書にも詳しく書いてありますので、ここで繰り返すことは止め、我々の目指すところをより具体的にまとめてみようと思います。
これらは、何れも全く新しいことでその成否はすべて如何に独創性を発揮できるかに掛かっています。しかも、ここでも述べているように我々科学者だけでは解決できない問題を含んでいます。我々の問題提起に対して、それを如何に取り上げるかどうかは市民の皆さんの理解と判断に待たなければなりません。また研究に対する各方面からのご支援をお願いします。 独創的な評価法の開発とその評価を食生活に生かしていく方法という二つの新しい課題に率先して取り組んでいこうという意気にもえた方々が集まってこの学術研究会を作りました。皆さんのご理解とご協力を心からお願いします。 |
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