2002年1月のトピックス 社会と共存できる科学技術を目指して 菅 原 努 |
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実は新しい科学技術と社会との間でこのことが既に問題になっているのです。例えば、放射性廃棄物の処分についても、遺伝子操作作物についても、専門家と一般市民との間に受け取り方の大きな違いがあり、あちこちで大きな問題になっています。そこで円卓会議を開いてみても余り進展はなく、またいきなり白黒を決める住民投票になって否定されたりしています。この民主主義の世の中で、多様な意見、価値観を持った人がいるという実情をふまえて如何にすれば、誰もが納得する結論を導くことが出来るのでしょうか。一体そんなことは可能なのでしょうか。 欧米では既にこの問題の解決をはかるために、科学者だけではなく、社会科学者、心理学者、経済学者などを含めた新しい合意形成のための組織や会議のあり方についての検討が始まっています。例えば昨年(2001)の日本リスク学会での土屋智子、谷口武俊の報告によりますと、放射性廃棄物問題をめぐって、1990年代後半に 私達は数年前からこの問題を「市民とリスク」という題の勉強会を作って検討してきました。わが国でもすでに「遺伝子組替え農作物を考えるコンセンサス会議」が2000年に実施されています。私達も今年は勉強の成果を具体的に生かす方向に進みたいものです。
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