2000.1.5
 

2000年を迎えて:昨年の反省と今後への展望

菅 原 努

 

 この百万遍ネットに本格的に取り組んで丁度一年が経ちました。そして2000年というきりのよい年を迎えることになりました。先ずは新年おめでとう御座います。皆さんもこの2000年を迎えて新しい気持ちで張り切っておられることでしょう。西暦では21世紀になるのは来年2001年だそうですが、2000年はもう半分次の世紀になりかかっている気持ちではないでしょうか。実は私は昨年11月末に中国へ行きましたが、中国の友人は中国では2000年から21世紀が始まるのだと言っていました。

 さて、ホームページというのは、こちらが書いているだけでは独り芝居で、自己満足に過ぎません。そこでどれ位の人に見ていただいているかが問題です。それをアクセス数と言いますが、それを調べたものが図1です。

  図1.1999年百万遍ネットへの月別アクセス数の変化

 

 1月から少しづつ増えて来ていましたが、10月に飛躍的に増えたのは東海村の臨界事故が9月30日にあったからだと思われます。この今月のトピックスにこの事故をめぐるいろんな問題について私の意見を書いたのを見て頂いたものと思います。私はそのまま書き続けた積もりですが、11月でアクセス数は半分位に下がってしまいました。これを見ると新聞記事が減るのと一緒にアクセス数も下がり何となく寂しい気がします。それでも救いは一人当たりの見たページ数です。それを見たものが、図2です。  

図2.百万遍ネットの一人当たりの見たページ数の月別変化

 こちらの方は幸い多少の凸凹はありますが、次第に伸びています。これで少し安心してさらに内容の充実、新鮮さ保持に勉めたいと思います。

 さて、見られている内容ですが、10月には確かに放射線関係が多かったのですが、その後老化やがん予防に関心が移っているようです。ホームページを見て具体的に反応があるのは、何と言ってもハイパーサーミアです。身近にがん患者さんが居られる方が、適応はどうか、近くで受けられる病院があるか、など大変具体的なことを尋ねてこられます。しかしこれは簡単なようで実は大変難しい問題です。出来るだけ多くの人にこの新しいがんの治療法を知ってもらい、適応のある患者さんがうまくこの治療を受けられるようにというのが私達の狙いですが、ことは医療行為に繋がりますので慎重に取り扱はねばなりません。尋ねられた方には不満足かもしれませんが、私に出来ることは精々近くの適当な医療機関を何軒かご紹介することまでです。折角インターネットという新しい情報システムが出来たのだから、もっとかゆいところに手が届くようなことが出来ればと思いますが、それはこれからの課題でしょう。その他に変わったのではある大学の学生さんから不老不死についてのアンケートが来ました。

 国際的には少しづつですが英文版を作っています。何れも直接または間接にこのホームページの事を話したことがきっかけになってアメリカの医学教育ネットに参加して原稿を書いてもらえないかとか、米国議会の調査機関からの依頼で調査をしているあるアメリカの大学教授から、高自然放射線地域についてもっと詳しい情報を教えて欲しいという依頼がきました。こうして少しづつでも反応があると大いに励みになります。

 さてこれからのことですが、昨年末に内容の更新について少しテンポが落ちたことを反省しています。昨年は12月初めにアメリカでの難しい会議に出席しなければならなくなり、それに力を取られてしまったのです。これからは成る可くそのような難しいことは現役のパリパリの方にお願いすることにして、老人の私は長屋のご隠居さんの気持ちで長い間に蓄えた知識や世間への考え方などを講釈していきたいと思います。しかし、それは決して昔話しに耽ろうというのではありません。私事ににわたって恐縮ですが、昨年11月に私の若い時からの親友でもあり恩人でもあるサントリー会長の佐治敬三さんが亡くなりました。その寂しさはかくせませんが、これからは彼に代わって、常に新しいことを考え、求めていきながら楽しむという彼の生き方を皆さんと一緒に進めていきたいと思います。この今の日本の沈んだ雰囲気から脱出するのにこれが老人に出来る一番のことであると考えているからです。

 皆様のご声援をお願いします。