2007.4.1

             
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リスクと生活

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自動車交通事故のリスク50年(25)
各暦年における年齢層別人口10万あたりの歩行中の死者にたいする負傷者の比較

主任研究員 武田篤彦


1. 基礎データ

  前回と前々回(22回、23回)に使用した交通事故統計年報(総務省警察庁、(財)交通事故統計センター、1962〜2004年、人口10万あたりの年齢層別死傷者数の推移 = 年齢、死傷者数、負傷者数。(掲載は不定期)

2. データの検討

 前回と前々回で得られた1966〜2004年の各暦年における全歩行者の自動車事故について、1歳から69歳までの年齢階層について得られているデータ(図1と図2)を援用し、10万人あたりの負傷者にたいする死者数を図3のように、縦軸を比率、横軸を暦年にとってグラフ化し、暦年経過を比較しました。計算はきわめて簡単で、(比率)=(人口10万あたり負傷者数)÷(人口10万あたり死者数)で表現しました。

 グラフからは1981年以降に右あがりの経過を示す年齢層(歳)、(20〜24)、(25 ̄29)、(5〜9)、(10〜14)があるいっぽうで、これら以外の年齢層10層では、1966〜2004年の38年間に大きな増減を示していません。死者数と負傷者数が示す変動の関連性は、かなり複雑なものがあるとおもわれますが、ここに見られる暦年経過が、死者数が減少したことによるのか、負傷者の割合が増大したのかという点の判断は、容易ではありません。

 

 図1 歩行者人口10万あたり死亡

 

図2 歩行者人口10万あたり負傷者

 

 

図3 歩行者 人口10万あたりの(負傷者数/死者数)