2006.12.1

             
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リスクと生活

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自動車交通事故のリスク50年(21)
各暦年における年齢層別人口10万あたりの自転車による死者数の推移

主任研究員 武田篤彦


1. 基礎データ

  交通事故統計年報(総務省警察庁、(財)交通事故統計センター)に収載されている1966年から2000年のあいだのデータについて各暦年ごとの年齢層別死者数を選抜しました。対象となったデータと各暦年死者数は、つぎのデータの中から求めました。

  1. 自転車事故死傷者の年別推移(人数)  (複数暦年を記載)
    1-1.年齢区分(歳);5未満、5-19、20-24、〜 65-69、70以上
    1-2.年齢区分(歳);6以下、7-12、13-15,16-19、20-24, 
      25-29 〜 70-74は5歳間隔.75以上.
  2. 年齢層別・状態別・死者数(男女計)
    2-1.状態別(運転中および同乗中);自動車、自動二輪車、原動機付自転車、自転車、その他の車両、歩行者、(合計)
    2-2年齢区分(歳) つぎの2種類がある
      2-2-1.5未満、5-19、20-24、〜 65-69、70以上
      2-2-2.6以下、7-12 13-15、16-19、20-29 〜 70-79,80以上
  3. 状態別・年齢別・性別・死者数
    3-1.年齢区分(歳)
      3-1-1 5未満、5-19,20-24、〜 65-69、70以上
      3-1-2. 5未満、5-9、10-14、15-19、20-24 〜 65-69,70(75)以上

ここで、これまで使用してきたデータの収集の事情について、説明します。1990年台以前の資料については、東京出張時を利用して国立国会図書館で入手したもので、入館手続き後の手順は、資料(雑誌)選定→貸出申請(1回3冊まで)→貸出・閲覧→複写申請→複写終了→資料返却。所要時間は、資料入手・資料閲覧・資料複写の3手続きに各30分を要し、計2時間、半日利用で3回、のべ9冊からの資料入手が限度となります。上京の機会を利用して10数年にわたり頻回繰り返しました。「日常生活にかかわるリスク」ということで、交通事故、火災をはじめ、死亡者数や負傷者数など多種のリスクに関する統計数値を対象に収集し検討を加えました。1990年ころ以降については京都府立資料館の蔵書を対象に検討と収受をおこなっています。

2. データの検討

 そのようなことで、今回使用のデータには欠落部分があり完全なものではありませんが、注目すべ傾向が示されています。

 1966年以降2000年について14年齢層における人口10万あたりの死者数を、同一の9暦年について選抜(欠落値あり)し図1に示しました。1966年からの暦年の死者数の経緯は、高年齢(歳、60-64,65-69および55-59)では1971年を境に急減し以後は平行に維持されています。この期間には低年齢ではやや高く、高年齢ではより高い傾向を示しています。幼児(0-5歳)は、つねに低値を示しています。

これらからは、高齢者では、交通規制が十分でなく道路整備も不十分な時代に、死亡事故が多発したことがうかがえます。また、勤労者と若者に、やや高く認められる死者数の経年変化も、減少後は大きな変化なく推移しています。

 この暦年の経過に伴なう死亡数について、1966年を1としたときの各年齢層の比率を、表1に示しました。図1で述べた死亡数減少の推移が、数字で明確に読み取れます。

 

表1 1966年の人口10万人あたり死亡率を1.00としたときの各暦年の比率

暦年

年齢層(歳)

0-4

5-9

10-14

15-19

20-24

25-29

30-34

35-39

40-44

45-49

50-54

55-59

60-64

65-69

1966

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1971

1.099

0.843

0.715

1.032

0.559

0.818

0.677

0.730

0.873

0.687

1.009

0.861

0.797

1.012

1977

1.349

0.945

0.456

 

0.287

0.397

0.322

0.303

0.471

0.352

0.411

0.371

0.338

0.408

1981

1.021

0.527

0.317

0.799

0.415

0.210

0.269

0.267

0.309

0.310

0.295

0.279

0.283

0.399

1987

0.372

0.423

0.252

0.519

0.438

0.254

0.165

0.115

0.238

0.277

0.285

0.265

0.223

0.319

1990

0.234

0.415

0.295

 

0.220

0.134

0.203

0.212

0.258

0.208

0.341

0.366

0.218

0.420

1993

0.250

0.280

0.224

 

0.395

0.277

0.202

0.229

0.158

0.194

0.339

0.331

0.212

0.297

2000

0.193

0.148

0.244

0.669

0.435

0.166

0.193

0.215

0.215

0.169

0.201

0.222

0.198

0.248

2003

0.197

0.167

0.174

0.566

0.275

0.238

0.163

0.138

0.111

0.127

0.133

0.176

0.155

0.269

 

図1 年齢別人口10万あたり 自転車事故死亡者数