2004.10.1

             
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リスクと生活

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火災事故のリスク50年(5)
《冬季3ヶ月間のリスクが最も高い》

主任研究員 武田篤彦


1. 基礎データ

  • 各年度 火災年報(総務省消防局)所載の建物火災について「月別出火件数」、「月別死者数・負傷者数」を使用 

2. 出火件数の季節変動

  • 各月の出火件数は、1953年〜2002年の49年間の数値を用いました。
  • 図に示した1月〜12月の月平均出火件数を基準(1)としたときの各月の数値をみると、1月〜4月は高く、5月〜10月は低値に転じ12月に反転しています。これは、裸火の使用頻度と深い関係のあることを推測させます。

3.死者数・負傷者数の季節変動

  • 各月の死者数・負傷者数は、1977年〜2002年の23年間(5年分の欠落あり)の数値を用いました。1976年以前については、データが欠落または未収集で対象外となりましたが、傾向をうかがうことはできると考えます。
  • 1〜12ヶ月の月平均死者数と負傷者数を基準(1)としたときの各月の数値をみると、当然のことといえるでしょうが、月平均出火件数の経時推移に類似の傾向を示していることがわかります。1月と2月の死者数が出火件数と較べてより大きい数値を示したことは、住居内における緊急行動に季節的な難易度の存在をうかがわせます。
  • 表にみられる死者数の月平均を春夏秋冬の各3ヶ月平均でながめると、?春:31、?夏:24、?秋:33、?冬:41となりますが、負傷者数のそれは、?春:119、?夏:129、?秋:133、?冬:135と、わずかに異なります。
  • 負傷者数のうち、1996年6月の“163”が他と較べて大きいことから、この年の6月〜8月の3ヶ月間を除いた4ヶ年について平均すると、6月:144→139、7月:128→129、8月:114→115、この3ヶ月の平均は128となって、全体にたいして大きく影響していないことがわかりました。

表 〔出火1,000件あたりの各月の死者数・負傷者数〕

暦年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
〔死者数〕
1981 35 38 30 34 33 32 18 23 24 33 38 35
1986 41 39 29 30 27 22 30 22 24 29 41 47
1991 41 44 41 30 28 28 27 22 31 30 36 40
1996 42 35 34 27 30 26 22 18 21 33 39 39
2001 53 43 31 29 35 25 23 23 40 33 42 42
(平均) 42 40 33 30 31 27 24 22 28 32 39 41
〔負傷者数〕
1981 132 136 122 116 131 144 132 121 148 124 153 133
1986 123 109 115 119 119 134 143 111 132 119 125 139
1991 138 153 131 121 105 135 126 111 129 126 134 142
1996 112 126 124 104 118 163 123 111 127 128 147 147
2001 155 140 131 111 123 143 116 118 128 122 144 144
(平均) 132 133 125 114 119 144 128 114 133 124 141 141