2004.6.1

             
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リスクと生活

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火災事故のリスク50年(1)

主任研究員 武田篤彦


1. 基礎データ

人口(総務省統計局)
死者数*1)、罹災者数(総務省消防庁)


*1)「建物、林野、車両、船舶、航空機、その他」の各火災の合計であるが、大部分は「建物」であるため、ここに援用した。

2. 罹災者1人あたりの死者数

 この50年間に人口10万人あたりの死者数にはほとんど変わりが無いが、罹災者数は大きく減少しているので、この数値を計算し、グラフに▲で示した。それによると、「死者数/罹災者数」、つまり罹災者1人あたりの死者数は、この50年近くのあいだにほぼ直線的に増加していることがわかる。

3. グラフの1954年のそれぞれの数値を1としたときの、各項の比較の1例を下に示す。

暦年
罹災者数
死者数
死者数/罹災者数
人口
1995
0.55
3.19
5.74
1.42
1998
0.46
2.81
6.05
1.43
  • 1954年を1としてみると、罹災者数は半減しているが、死者数は3倍ちかくに増加している。このため減少を示している罹災者数の1人あたりの死者数は6倍に増大している。つまり、火災による被害者の死亡リスクは増大していることを意味している。この原因が、建物の構造にあるのかなどについては、今後の検討が必要である。
  • 図の中の罹災者数のカーブについて、1995年にみられる小さい山、および上の表の1995年の数値は、阪神淡路大震災を反映している。