1999.10.5 revised
放射線と放射能
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ほぼ三角形をした大国インドの西海岸は、アラビア海から打ち寄せる青い波に洗われ、背の高い椰子の林が切れ目なく連なるうつくしいところです。ここ、ケララ州の波打ち際に沿って続く黒い砂浜は、たくさんの放射線が出ていることで有名です。 私たちは、太陽など宇宙から降り注ぐ宇宙線、大地に含まれているカリウム、ウランやトリウムといった放射性元素からの大地放射線、そして、それが食物に含まれ体内に入って出される放射線の「3種類の自然放射線」を毎日の生活の中で受け続けています。 ところで、その大地放射線が、ここケララでは日本の3倍以上も多いのです。漁業が盛んなところで、昼間は漁をし、夜は砂浜に椰子の葉で造った家で、砂地に毛布などを敷いて寝る生活を先祖代々続け、この放射線を受け続けてきています。 この黒い砂は、後ろの山で砕けた岩からつくられ川によって海に運ばれて、それが波に乗って浜に打ち上げられたもので、トリウムという放射線を出す元素が多く含まれています。そのため、黒い砂浜では放射線が多く出されるようになったのです。 現地のがんセンターが、ここの人々についてがんの調査していますが、発生率が高いという結果は出ていないそうです。大量の放射線を一度に受けた場合に、がんが生じてくる場合のあることが知られているので、わずかの放射線でも受ければ障害が出るとされてきました。しかし最近では、わずかな量の放射線を受け続ける場合、それががんにの発生に結びつくかどうかについて、改めて議論がされるようになってきています。 このケララの調査結果は、放射線の影響については、受ける量が決め手のひとつであり、この程度の放射線の量では、ふつうのところと同じように影響がないことを示しています。 (関連ページ:世界の高自然放射線地域)
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