1999.9.1
ずいぶん以前のことになりますが、“キミのひとみ(瞳)は1万ボルト”という歌が、大流行したことがあります。長いまつ毛の奥にひそむ魅惑のひとみ、輝くまなざしから発射され、あなたを釘づけにするそのウインク‥・。これこそが「放射線」に例えられるものなのです。そしてこのひとみがもっているヒトを魅了する不思議な力、それが「放射能」に当たるものといえるのです。 輝く電球は、光線を出す能力をもっています。そして、放射能をもつものは、放射線を出す能力をもっています。 このことを逆にいうと、光線を出す能力をもっているのが電球で、出てくるのが光線ですから、放射能をもっているもの、例えば「放射性カリウム」という、放射線を出す能力をもっている元素から出てくるのが放射線です。放射性カリウムは農業、園芸などで日常使っている<りん酸カリ>などの肥料に含まれています。 まとめますと、つぎのようになります。
さて「元素」とは、なんでしょう。ヒトの呼び名には、鈴木、高橋、渡辺など、苗字にいろいろな種類があります。私たちの社会が、いろいろな苗字をもったたくさんのヒトでできているのと同じように、自然界は、いろいろな呼び名のたくさんの原子でできています。原子にも多くの種類があって、水素、酸素、ラジウム、ウランなど、苗字にあたるいろいろな呼び名があり、それを「元素」というのです。自然界にある元素は92、つまり苗字は92種類です。 原子には、その中心に原子核があって、そのなかが変化するときに放射線が出ます。原子核から放射線を出す元素にはたくさんの仲間があり、ラジウム、ウラン、放射性カリウムなどが、その例に挙げられます。放射能をもつラジウムやウランなどからはアルファ線、放射性カリウムなどからはベータ線と呼ばれる放射線が、その仲間であるガンマ線などを伴って放出されます。
* 百万遍ネットINDEXへ戻る *
|