平成14年健康指標プロジェクト講演会要旨 |
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第34回(10月19日(土) 14:00〜17:00、京大会館)
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ストレス、そのとき遺伝子と脳は
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仙波恵美子 (和歌山県立医科大学第二解剖) |
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我々は、情動ストレスのモデルとされている拘束ストレス、疼痛、炎症などの身体的ストレスのモデルにおいて、脳のどこがどのように賦活されるかということを、c-fosなどのimmediate early genesの発現を指標として検討してきた。ストレスは脳の覚醒レベルを上げるとともに、情動反応を促進し、視床下部の摂食調節機構にも影響を与える。また交感神経系を賦活し、循環器をはじめ種々の臓器に影響を与える。また、慢性的なストレス負荷により、海馬でのBDNFの産生が低下し、記憶・学習など海馬機能の障害が生じる。一方、空腹や絶食によっても血中のglucocorticoidレベルが上昇することから、これらもストレッサーと考えられている。我々は48時間の絶食により、弓状核のみならず室傍核においてもMAP kinaseが活性化することを確認している。しかし、摂食量を制限することにより、寿命は延び、海馬のBDNFは増加するという。ストレッサーの種類により、脳でのプロセッシング、脳に対する影響は異なるであろう。その詳細なメカニズムの検討は、我々がストレスと上手に付き合い、健康を守っていく上で重要な課題である。
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