平成12年健康指標プロジェクト講演会要旨 |
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第17回 (11月18日、14時〜17時、京大会館102)
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ノックアウトマウスを用いた腸癌の研究と治療法の開発
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武藤 誠
(京大・医・遺伝薬理 / 東大・薬・遺伝) |
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最近、我々はWntシグナル経路の中でApcと同様に重要な役割を果 たすβカテニンの安定化変異を腸特異的に導入したところ、マウス一匹当たり3000個にも及ぶポリープ形成を来たしβカテニン変異によるポリープ形成を初めて実験的証明を行った3)。このマウスの腸管ではやはり著しい誘導が間質細胞で見られた。 一方COX2に基質のアラキドン酸を供給する酵素としてフォスフォリパーゼ cPLA2とsPLA2の存在が知られている。我々はcPLA2の腫瘍形成に及ぼす影響を調べる為、魚住らが先に作出したcPLA2のノックアウトマウス4)をApc△716マウスの交配し、そのポリープ形成に及ぼす影響を調べたところ、小腸のポリープのみが、大きくならないことをみ出した。このことは、効果 の見られなかった大腸では、cPLA2以外のPLA2がポリープ形成に必要な重要なアラキドン酸を供給していることを示唆している。そこで、V群とX群のsPLA2を腸管で測定したところ大腸ではX群のsPLA2が大量 に発現していることを見い出した。これらの結果は大腸の於いてはこれまでその機能が不明だったX群のsPLA2がアラキドン酸を供給する重要な役割を果 たすことを証明した5)。
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