平成12年健康指標プロジェクト講演会要旨 |
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第12回 (4月22日、14時〜17時、京大会館212)
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生体防御におけるシグナル伝達と遺伝子発現の分子機構
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谷口維紹
(東京大学大学院医学系研究科免疫学講座) |
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生体防御系においては、適当かつ迅速な細胞応答が極めて重要である。我々 はそのような細胞応答を規定する遺伝子発現ネットワークの制御機構についてインタ ーフェロン(IFN)系を中心に解析を行っている。すなわちIFN遺伝子及びIFN応答遺伝 子の発現機構について解析し、新しい転写因子IRF-1とIRF-2を見いだした。その後の 研究でIRF転写因子はファミリーを形成し、これらがSTAT転写因子ファミリーと共に、 IFN応答ならびに免疫応答の調節に重要であることが明らかとなりつつある。 我々はIRFファミリー転写因子を欠損したマウスを作製し、それらの解析に よってIRF-1がIFN系のみならずTh1型適応免疫応答やNK細胞の分化に重要な役割を果た していることを示す事実を見いだした。IRF-2欠損マウスについての解析も進行して おり、本因子がIFN系を負に制御する因子として必須であり、その欠損は皮膚の炎症 反応を誘導すること、それがCD8T細胞によって介されるらしいことも判明しつつある。現在CD8T細胞の異常の原因について解析を行っている。これらに加えて我々は他の IRFファミリー因子、IRF-3, IRF-7、についても欠損マウスの作製等を含め、機能の 解析を行っているところである。 また、最近我々が見い出した、サイトカインによる迅速な細胞応答における "Futile Signalling" の重要性についての新知見をも紹介したいと考えている。
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