第17回『いのち科学』例会 レジメ
知られざる農薬 (高柳 淳)
農薬の誕生
創れるのは先進国のみで非常に少ない。(アメリカ、西欧諸国、日本のみ)
広範囲の科学技術必要。(自然科学、工学、医学、化学)
膨大な経費と時間がかかる。(1農薬50億円、10万化合物に1つ、10年間)
農薬の普及
世界の先進農業国の主要作物に使えること。
地域性があり使用される場所、作物での膨大な試験が必要。
世界で統一した登録基準が無いため、各国での承認が必要。
農業以外の使用場面
産業用使用場面
ディズニーランドなど遊園地の管理。
鉄道、高速道路の管理。
競馬場、競艇場などの管理。
防虫布(衣服、穀物貯蔵袋など)。
防かび剤としての使用(トイレのプラスチック版、自動車塗料など)。
コンクリートへの練りこみ(歩道の敷石、橋脚の基礎など)。
送電線の管理(森林の生育抑制、ネズミ、害虫、鳥などからの保護)
これからの農薬
安価で、毒性が低く、分解性の早いもの。(低開発地域でも安全に使える、残留性が無
く安全)
広範囲の標的に効果があり、標的以外に安全なもの。
外的環境に対応できる作用を持つもの、植物調節剤的なもの。(温室をなくして寒地で
作物が作れる)
高柳 淳氏の経歴
1941生まれ、神奈川県、昭和38年千葉大学園芸学部応用昆虫学科卒業、農薬部門設立のため塩野義製薬入社、以後約40年間 農薬の普及、開発、研究、製造に従事する。元 塩野義製薬(株)植物薬品開発部長、元 農薬工業会理事、元 植物調節剤協会理事、元 残留農薬研究所評議委員