2000.3.1 revised
 
サーモトロンの開発(改訂)
 

 

 ハイパーサーミアを癌治療法として確立するためには、腫瘍を42−43℃に加温する装置がなくてはならない。私達は昭和50年(1975年)わが国でのハイパーサーミアの研究を開始するに際して生物学的な研究と並行して装置の開発に取り組んだ。

 マイクロ波、超音波などの試作を試み、その限界が明らかになった後にできるだけ広い適応を持ち、表在も深部も何れの腫瘍も加温できるものとしてサーモトロンの開発に取り組んだ。

 昭和52年に基礎的な検討を始め、昭和54年10月に試作1号機が完成した。その後さらに改良を重ね、新技術開発事業団(現科学技術振興事業団)の研究費を得て、臨床治験をもとにサーモトロン−RF8が完成し、昭和59年12月に癌治療用具として厚生省の認可を得るにいたった。

 その後、このサーモトロンはわが国はもとより広く世界でハイパーサーミアを臨床で 生かすための装置として活躍している。

 現在、わが国で80台余、海外で10台が活躍している。この間に多くの臨床家からその治療経験に基づく加温性能の向上のための工夫、提案があり、それらを取り入れて今では世界で一番適応の広い装置と言うことが出来る。


お問い合わせ先: thermot@taishitsu.or.jp