ヨーロッパが日本などに比べて緯度は北にあるのに、その割りに温かいのは大西洋の東海岸に北への暖流があるからです。その理由として北極海の冷たい塩分の多い海水が海の深いところへ沈み、それが海底に沿って南に流れ、大西洋の表面ではそれと反対に北向きに熱帯で温められた海水が流れてくるからであるとされています。最近ある気候学者の計算では、地球温暖化が進んで氷河や北極海の氷が解けそれが北大西洋に流れ込むと、海水が温かく軽くなって沈まなくなるので、この流れが止まり、暖流の北上がなくなるのでヨーロッパは寒くなるというのです。でも安心してください。最近の計算ではこのような状況になるのはまだ100年以上先のことだろうということです。
ここで気をつけるべきことは、地球温暖化といっても地球全体が一様に温まるということではなく、地域によってその影響は大きく異なり、一部では逆に寒くなる可能性があるということです。特に南極ばかりでなく北極の研究観測も大切で、それは北極では氷が溶けると海面がでて、これは太陽光をよく吸収し、温度が急速に上昇する可能性があると考えられるからです。
NewScientist 15 April 2006, pp.42-46
Deep trouble by Stephen Battersby |
|